もくじ
危機的状況に気づく人を増やさねば
南シナ海や台湾海峡がかなり不穏な状況であることは、ノンポリの人でも知る様になってきている様だ。
今まで日本にいる親戚との会話でもチャイナの領海侵犯の話など出たこともなかったのに、
「怖いわね〜」
とあちらから話題をふってくるようになったのには少々驚いた。
それだけメディアも尖閣諸島への侵攻が隠せないものになってきているのだろう。
こんな状態にありながら、のらりくらりとしている日本政府は機能不全と言わざるを得ない状況にある。
やれ女性の社会進出だ、やれ多様性だとリベラルに赴くことにばかり集中し、国防を疎かにし過ぎたつけがもうどうしようもないほど回ってきていると危惧している。
このままでは過半数の日本人が気づく頃にはもう日本は後戻りできないほどに国ごと乗っ取られている状態になっているだろう。
どうしたら気づく人が増えるのか、、日々悩む所だ。
高市早苗議員の総裁選出馬表明
そうこうしていると自民党の総裁選に元総務大臣の高市早苗議員が出馬表明した。
このことで、一気に日本人の政治への期待が高まり、流れが大きく変わろうとしているように思えるのは嬉しいことだ。
総裁選出馬表明の記者会見で立派に政策を披露した高市議員の姿に、今まで政治に関心がなかった若者層も(というより、『どうせ誰がなっても一緒でしょー。』と期待感がなかったといったほうが良いだろうか)ぐっと耳を傾けたくなる様な会見であった。
しっかりとして政策を打ち出し、対中政策にも重きをおくとはっきり言われたことにとても安心した方も多かっただろう。
沢山の挙げられた政策は全て素晴らしいものであったが、私の最大の関心ごとはやはり国防だ。
内部侵略も深刻なところにきているが、実際に領海や領空が毎日のように侵略されている状況は本当に危機的状況だ。
この事態の改善にも自民党は総選挙に勝った暁には、しっかりと取り組んでもらいたい。
アメリカでベストセラーになった米中核戦争の本
さて、この南シナ海周辺の不穏な動きに敏感にならざるを得ないのは日本人だけでない。アメリカ人でも警鐘を鳴らしている人がいる。
その方の新著がアメリカでベストセラーになったことで話題になっているのでご紹介したい。
ジェームズ・スタブリデス氏という退役海軍大将の方だ。
近未来の2034年を舞台にした米中核戦争を描く小説なのだが、南シナ海で中国がアメリカの軍艦を撃沈し、台湾へ攻め入り支配下に置き、中国人民解放軍によるサイバー攻撃で通信網も打撃を受けたアメリカは核兵器での報復に踏み切ることで、アメリカとチャイナが戦争に突入するという、緊迫する両国関係の近未来像を描いた小説「2034」だ。
著者のインタビューでは、衝突の危険は間近に迫っていると指摘され、
「米中の戦争がいかに背筋の凍るものになるか想像し、回避策を考えるべきだ」
と訴えた。
スタブリデス氏は北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍の最高司令官などを歴任し、地政学に関する著作もある方だ。
冷戦期にはアメリカと旧ソ連の戦争を想定した映画や小説が数多く登場したことで民間人でも「悲惨な時代をイメージでき、戦争の抑止に一役買った。」と話した。
スタブリデス氏は日本経済新聞(6月12日)にも、米中の軍事バランスについて寄稿されており、
「地理的には、南シナ海や東シナ海で米中が衝突するようなことになれば、中国がはるかに有利だ」
と危機感を述べている。
というのも、テクノロジーの面ではアメリカがまだ中国をリードしているものの中国は特に人工知能(AI)や極超音速巡航ミサイル、新興分野である量子コンピューターなどで米国を猛追しているからだ。
その様な危機感を募らせていた彼がこの話を書くきっかけになったのは、米中関係が「新冷戦」と言われるほどに悪化していく中で、近未来の衝突の具体的なシナリオを予想しようと思い立ったことだという。
本のシナリオ
本の概要は(じっくり読まれたい方のためにネタバレをしたくないので)簡単に書くと、、
南シナ海で「航行の自由」作戦を実施していた米駆逐艦が不審船に近づくと、中国の原子力空母がその駆逐艦2隻を沈めてしまった。そして中国軍はサイバー攻撃で米軍の通信網を遮断。
さらに中国は同時に同盟国のイランと協力し、中東のホルムズ海峡近くを飛行中だった米軍のステルス戦闘機F35の運航システムをハッキング。中国人民解放軍は台湾に侵攻し制圧。
米中が争っているすきを利用して、ロシアは米国につながるインターネットの海底ケーブルを破壊する軍事行動を始める。アメリカ本土ではネット回線の多くが遮断されて大規模な停電も発生、中国軍によるサイバー攻撃も重なり、ホワイトハウスは混乱に陥る。
様々な誤解と誤算が続き、また、ホワイトハウスとチャイナ共産党内の主導権争いも絡み、事態は各都市への核攻撃へとエスカレートしていく。。
というスリリングなものだ。
作中の登場人物であるホワイトハウスの高官の会話の中で、連合艦隊司令長官として真珠湾攻撃を指揮した山本五十六の言葉を引用しているシーンがあるのも興味深い。
“I fear all we have done is to awaken a sleeping giant and fill him with a terrible resolve.” (私たちがしたことは、眠れる巨人を起こしてしまい、恐ろしい敵意を抱かせただけではないだろうか。)
チャイナとの戦争を回避するために明確な戦略を
スタブリデス氏はこの本を元海兵隊員のエリオット・アッカーマン氏と共同執筆したが、今年3月に発売された小説はすぐに反響を呼んだ。
外交官や米軍幹部からは
「一点だけ大きな間違いがある。それは衝突は2034年よるもずっと早く起きるかもしれない」
と言われたという。
スタブリデス氏は、チャイナとの戦争を回避するためアメリカは明確な戦略を立てるべきだと指摘し、米軍の近代化などによる抑止力強化を訴えている。
「チャイナのような権威主義国家に対し、民主主義国家は一致して立ち向かうべきだ」
と述べ、日本、アメリカ、インド、オーストラリアの協力体制の枠組みである「クアッド」などの連携が今度、さらに重要になると強調した。
スタブリデス氏は
戦争を回避する最善の方法は、相手に『自分が最大の敗者になるのはほぼ確実だ』と思わせることだ
と述べている。この小説はまさに、中国に対する警告も狙っているのかもしれない。
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小説の日本語訳版は9月に出版予定だという。
【今回は『米中戦争⁉️元海軍大将の小説が話題に❗️』について語っていきました。
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