日本財団「18歳意識調査」
日本財団が毎年、「18歳意識調査」というのをやっているのはご存知だろうか。
その最新の結果が何とも衝撃的だったのでご紹介したい。
第20回(2019年9月から10月)にかけて行われたもので、テーマは
対象国は
日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、中国、韓国、ベトナム、インドネシア、インド
対象の人は
17歳から19歳の各1000人
この中での日本の若者の回答がかなり衝撃的だった。
衝撃的な日本の若者回答結果
具体的な数字はまず以下で参照。
国の将来は良くなる: 9.6%
自分を大人だと思う: 29.1%
自分は責任がある社会の一員だと思う:44.8%
将来の夢を持っている: 60.1%
自分で国や社会を変えられると思う:18.3%
自分の国に解決したい社会課題がある:46.4%
社会課題について家族や友人など周りの人と積極的に議論している:27.2%
自分の国の将来について
良くなる:9.6%
悪くなる:37.9%
変わらない:20.5%
分からない:32.0%
4割の人が日本の将来を悲観的に見ている。
この年代の子というのは根拠もなく将来を楽観的に見られる「根拠ない自信」に一番ありふれているはずなのに、その真っ盛りの年代の子供達がこれほど悲観的に見ているというのは良い示唆とは全く言えない。
しかし、それだけ悲観的であるのにも関わらず、解決したい社会課題があるかという質問には46.4%がYESと言っているので、つまり半分以上の人は課題がないと思っていることになる。
この日本の若者の数字がどれだけ衝撃的に低いのかを比較対象するために、アメリカと中国の若者の回答を見てみよう。
アメリカの若者の回答結果
国の将来は良くなる: 30.2%
自分を大人だと思う: 78.1%
自分は責任がある社会の一員だと思う: 88.6%
将来の夢を持っている: 93.7%
自分で国や社会を変えられると思う: 65.7%
自分の国に解決したい社会課題がある:79.4%
社会課題について家族や友人など周りの人と積極的に議論している:68.4%
日本の若者に比べて意識の高さが圧倒的だ。
まず自分を大人だと認識し、社会に対して責任があると思っている数が圧倒的だ。
また自分の国の中に解決すべき課題があると認識し、その事に関して周りの人と議論している。
さて、次は政治の自由も保障されていない中国の若者だ。
中国の若者の回答結果
国の将来は良くなる: 96.2%
自分を大人だと思う: 89.9%
自分は責任がある社会の一員だと思う: 96.5%
将来の夢を持っている: 96.0%
自分で国や社会を変えられると思う: 65.6%
自分の国に解決したい社会課題がある:73.4%
社会課題について家族や友人など周りの人と積極的に議論している:87.7%
日本のように言論の自由や思想の自由、政治介入の自由が保障されていない中国でさえこの数字だ。
ある程度、良いことを言わないと「怖い」という潜在意識が働いているということを考慮したとしても、解決したい社会課題がある人の数も高い。
「中国の脅威」とよく言うが、若者の意識ということで考えれば
という感が否めない。
各国の若者の意識の差は何なのか
若者といってもこの人達はあと20年もすれば国を動かしていく主導層になる。
日本の若者に関してもあと10年後に数字が劇的に上がるとは思えない。
この各国の若者の意識の差は何なのだろうか。
原因は何だろうか?
自分の力で現状を変えられるという意識がないと「草の根活動」をしようとか「選挙に行こう」という意識なんて芽生えるはずがない。
選挙率の低さはこういうことなのかと納得する。
解決すべき社会問題があると思わず、それに関して議論する気もなく、自分の国の将来は暗いと思っている人達が今より良い日本を作れるのだろうか。
不安が募る。
これをGHQ教育のせいだという人もいるかもしれない。
しかし終戦後70年も経っているのにいつまでもアメリカのせいだと言い続けていてもらちがあかないだろう。
この若者の意識を変えて行く教育や意識の向上が早急に必要なことがよく分かってもらえただろうか。
やらないといけないことはまだまだありそうだ。