ウクライナだけでない。アメリカが今まで何をやってきたのか

アメリカ政治
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アメリカメディアの煽りに乗る日本人

アメリカメディアにべったりの日本のメディアの圧倒的な煽りで注目され続けるウクライナだが、今までアメリカが他国でやってきたことを知っている人達からしたら、

「なぜウクライナだけこれだけ大きく取り上げられるの?」

と不思議な気持ちになっている。

特に日本はソ連時代の日ソ不可侵条約を破られたことやシベリア抑留の件でソ連に対して元々、悪い印象があるので、西側メディアのプロパガンダに乗せられやすかったのかもしれない。

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例えば、日本で停戦を訴える声が上がれば、一斉になぜか保守陣営からバッシングされる奇妙な現象がある。

『ウクライナの市民が可哀想〜!』

と本当に思っていて、それを訴えるのなら普通はすぐに停戦して欲しい!と動きがあって然るべきだったのに、開戦直後からそのような声は皆無だったような気がする。

なぜなのか?

私にはいまだにそれが理解できない。

『ウクライナの徹底抗戦を応援して、ロシアの侵略を止めるのだ!日本がそういう動きをすることで、それを見ている中国が日本にも侵略できないと思うからだ!』

というのが大方の言い訳だったと思う。

果たしてそうなっているだろうか?

はっきり言って、中国はそんな日本を見て

「あほだな。。」

と思いながらしっかりとロシアに手を貸し、西側を排する形の新たな同盟関係を構築していっている。

中国だけでない。イスラム教国、インドもアメリカの言いなりにならないと反発を強めていっている。

それに中国は明らかな軍事侵攻などしなくても、簡単に日本を内部侵略できている状態だ。だから着々と企業を買い占め、土地を買い占め、移民をどんどん入れていき、広大な土地に軍事施設とも思えるものを建設していっている。

それを見過ごしているのが日本政府なのに、今更、『ロシアをしっかり非難している日本は侮れないな、、』なんて思う訳がない。。(呆れ)

ウクライナで起こっていることは、ロシアが突然、一方的にかつ狂人的に起こしたことでないことは、今まで散々言ってきたが、そういう経緯を全く無視して情勢を語る人達の声があまりに大きくて、日本はなかなか次のレベルに行けない状態だ。

やはり1945年から発動したアメリカの洗脳が解けないままだからなのだろうか。。

思い出して欲しいが、

日本はアメリカと戦争をして、日本中が焼け野原になるまで爆弾を落とされ、原爆という人体実験を2回された上に敗戦している。そして、7年間の占領期間があり、教育から、食から、着るものから、見るものから、読むものから、聞くものから、何から何まで変えようとさせられた歴史がある。

文明の衝突

アメリカの国際政治学者の大御所のハンティントンは、

文明観や宗教の違いは、目先の軍事利益や経済的な損得とは別の次元の問題なので、文明の違いがあった場合に、目先の損か得かだけで自分の国の独立を売り飛ばすはずがない。だからアメリカはイスラム教の文明諸国に軍事介入をしてはいけない。スラブ文明とロシア正教文化圏は、ヨーロッパとは違うし、アメリカとも全く違う文明圏であるのだから、我々が彼らの生き方とか価値観というのは簡単に理解できない。

と訴えていた。

理解ができないのに、上から目線で偉そうに説教をしたり、内政介入したり、カラー革命だと言ってクーデターをしたり、そのようなことをやるなと訴えていた人だ。

アメリカ人は傲慢にも「アメリカ民主主義こそ正義だ!」「アメリカ資本主義が素晴らしいのだ!」アメリカ的なグローバリズムを押しつけても、違う文明圏の人は受け入れるどころか反発する。

アメリカの覇権的世界構築は失敗する

過去500年の国際政治を見ても、主流派だったのは「勢力均衡論」だった。

偉そうに道徳や政治イデオロギーを振りかざしながら他国に軍事介入などせずに、各国の勢力のバランスを維持することで平和を保ちましょうというのが勢力均衡論だ。

ウェストファリア体制ではフランス革命が起こってナポレオン戦争によって壊されるまでの140年間も戦争なしを保てていた。

そして次のウィーン体制を作り、第一次世界大戦が起こる1914年までの約100年間、バランスを保っていた。

対してアメリカが作った二つの体制はどちらも長く続かず戦争が起こる。

まず、ウィルソン大統領が作ったベルサイユ体制はたった20年しか持たず、第二次世界大戦が勃発した。


このウィルソンはアメリカでもなぜか平和主義の大統領だったと良い印象で語られることが多いのだが、国際連盟の場でも「勢力均衡体制は間違いだ。」と公言していた人物だ。

それより国際連盟で各国が話し合いをしたり、票決したりしておけば平和は保たれるという協調主義を主張していた。

各国の存続や独立をかけて闘っている国際政治の問題を、票決だけで勝ち負けを決めて、収められると考えるなど、小学校の学級会のレベルだ。

冷戦時代は、アメリカとソ連がお互いに何万発の水爆弾頭を向け合っていたので、どちらも動けないということである意味、バランスが取られていた。

しかし、ソ連崩壊後はアメリカは待っていましたとばかりにアメリカだけが世界を支配するという「アメリカ一極覇権体制」を構築し始めた。(冷静集結後のたった2ヶ月後)

その中で仮想敵国として名指しされていたのが、

ロシア、中国、ドイツ、そして日本

だ。

仮想敵国の中でも、支配の仕方がふた通りある。

1。ドイツと日本には今まで通り、「二重封じ込め」にしておき、決して自主防衛はさせない。

2。中国とロシアは地域覇権国になるのを防ぐ

この4カ国をしっかり押さえつけておけば、アメリカは長期間において世界覇権を握り続けることができる野心的な案を作った。

しかしそれが成功したかと言えば、失敗ばかりしている。

クリントン時代にユーゴスラビアに軍事介入して、ボスニア・セルビア・コソボで軍事介入したことで、コソボ問題はいまだに解決されないまま、民族間の怨恨は根強く残っている。

次のブッシュ政権では不必要なイラク戦争を起こし、百数十万人にもイラク人を犠牲にして、引きあげた。

オバマ政権ではシリアに軍事介入して失敗し、リビアに軍事介入し、これまた失敗し、ウクライナではクーデターを起こした。

つまりアメリカが構築する体制は2回とも成功するどころか、各地に混乱と憎悪を撒き散らす結果になっている。

うわべだけの綺麗事をいうアメリカ

しかし、世界的な覇権を握りたいという野心的な面をあらわにしたくないアメリカは自分たちのことを

「覇権主義者だ」とは声だかに言えないのに、かわりに

「我々はリベラル覇権なんだ。」とか「民主的な平和を構築したいんだ。」とか子供騙しなことを言い回るのだ。

つまり、アメリカは世界覇権が欲しいのではなくて、

『民主主義国同士は戦争なんかしないから、世界中に民主主義を実現するためにやっているだけなんだよ。』

とまた鳥肌が立つような嘘を言う。

しかし、そんな綺麗事を言っていても、実際はクーデターでも軍事介入でもやるとなったら相手国が何百万人と犠牲になろうが、恐ろしい数の民間人が巻きぞえになろうが、徹底的に破壊していく。

この様な経緯を知っているなら、

今回のウクライナも同じことをやっているな。


と冷静に見られるはずだ。

なぜなら今回もアメリカは同じことを言っているからだ。

「ウクライナを勝たせて、ロシアを民主化すれば世界は平和になる。」

と。

日本人は損得のレベルでしか国際政治を見ていない

戦後の日本人の外交政策というのは、最低レベルなことをやっていて、目先の損得だけで動いている。

今だけ、金だけ、自分だけ。

というやつだ。

だから、ネットやSNSでの言論を見ていても

「アメリカにくっついていたら得するんじゃないか。」とか

「アメリカが押し付けてきた憲法9条をしっかり守っておれば、日本は何もしなくていいからいいんじゃないか。」とか

「日米安保でアメリカにやってもらうのが一番楽だ。」とか

そういう話ばかりなのだ。。

日本人はそれより何より、まず敗戦国から独立したいという強い気持ちを持たないと始まらない。

そのためには日本という国の歴史を勉強し、国に誇りを持ち、

『強い確固たる気概を持って日本が植民地支配をされないように先人たちが必死に頑張って守ってくれたこんな日本だというのに、たった一回の戦争の負けただけでずっと属国の状態が続いているなんて恥ずかしい!』

と感じる日本人が増えないと次のレベルに行かないと思っている。

だから、そういう日本人が増えてくれることを願いながら、いつも記事を書いているわけで、今日もそんな願いを込めながら筆を置く。

【今回は『ウクライナだけでない。アメリカが今まで何をやってきたのか』について語っていきました。
最後まで読んで下さりありがとうございました。沢山の方にシェアしたり、活動へのサポートを頂けたら励み💪になります!またツイッターでの発信もやっていますのでそちらの方も覗きにきてもらえたら嬉しいです。】

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