日本がプエルトリコになる未来

アメリカ全般
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カリブ海に浮かぶプエルトリコという小さな島がある。

かつてのスペインの植民地だったが、米西戦争によってアメリカのものとなり、今でも「テリトリー」という扱いになっている。

国旗もあるし、人々の共通語はスペイン語だし、そこに住む人たちは自分たちをプエルトリカン人として自分たちの文化を持ちながら生きている。

ラジオをつければ陽気なサルサが流れ、週末になれば昼間から道端のバーでお酒を飲みながらカラオケを楽しむ人たちがいる。

燦々と一年中輝く太陽によって日焼けした人たちが朝からせわしなく働きにでかける。出勤と退勤時間はラッシュアワーで道は混雑する。

アメリカ本国とはまるで違う雰囲気の人たちが、違う言葉を話し、独自の文化を持ち、独自の食文化を楽しんでいる国。

そこはまるで異国だ。

しかし、この国がアメリカのテリトリーだと痛感するのにそれほど時間もかからない。

通貨はドルだ。電話も普通に繋がる。クレジットカードもアメリカ本国と同じ様に使える。

この国は独自の国の形を持ちながら完全にアメリカの資本主義体制に組み込まれた形で存続している。

しかし、ハワイやアラスカの様に州の一部にはされず、領地扱いのまま。
だから大統領選においても投票権はない。

この国の形態が未来の日本のようだと大昔に嘆いておられた保守思想家がいた。

西部邁先生だ。

彼は日本の独立を目指し、たくさんの日本人の独立心を鼓舞し続け、保守とはなんだという問いを自問自答し続けたまま、ついに日本に失望し、自死するに至った偉大な思想家だ。

彼の言葉を初めて聞いた時はピンとこなかった。しかし、その言葉は私の胸にずっと刺さっていた。

その気になっていた国、プエルトリコに行ってきた。

そしてその国の中を旅しながら、西部先生の危惧は妥当なものだと痛感した。

日本国内では新年を迎えるにあたり、

「バイデン・カマラ率いる悪夢の民主党政治は終わった。日本も新たな未来を構築するために独立を目指すには何ができるだろうか。」

という議題で盛り上がると期待していたが、蓋を開けてみたら

「日本はアメリカの1州にしてもらえばよい」

などという話がたとえ冗談とは言え、保守を標榜する人たちが口にしているのを知り、がっくりと肩を落とした。

日本人でも政治に興味がない若者の間では、それくらいの認識の人が多いと聞く。

甘い。。

アメリカが日本を1州に組み入れるわけがないのに。

日本はプエルトリコのようにテリトリーの扱いで利用されるだけだ。

日本人はこれからも日本語を話し続けるだろう。行事になれば日本人は神社やお寺にお参りし続けるだろうし、日本食を食べていくだろう。

しかし、外国人目当てのツーリズムの政策により、外国人が好んでやって来るところでは英語が当たり前にされるし、外国人が過ごしやすい、都合の良い形に町が変えられていくだろう。

レストランのメニューも日本語のみというのはなくなっていくだろう。
レストランやホテルの値段も普通の日本人が買えないような外国人価格が設定されていくだろう。

そして、日本人は金持ちの観光外国人、もしくは在日外国人のためにさらに一生懸命に働くようになっていくだろう。

日本は実はアメリカのどのテリトリーよりも都合が良い国かもしれない。

・アメリカナイズされることに抵抗のない国民
・自分の国がどんどんなくなっていくことにも気づかない国民
・多様性を押し付けられ、外国人にも優しくを強要され、それを従順に守る国民
・そしてどんな国よりも勤勉で賢い国民

実に好都合な条件が揃っている。

かろうじて通貨は守っているが、それ以外の日本の未来の状態は本当にプエルトリコの状態とよく似ている。

どうしたらこの危ない状況に気づける人を増やせるのだろうか。

日本という国がプエルトリコのようにならないためには、

日本人が「独立国」として生きていけることへの自負と誇りを持ち、それが当たり前の状態でないことを再認識し、戦後から続く長いアメリカの占領からどうやったら抜け出せるのかを一丸となって知恵を出し合い、協力し合わなければなし得ない。

冗談でもアメリカの1州になるなどという馬鹿げた空論を口にすべきではない。

今は「冗談だ」と笑っていても、実際に笑えない状況にあることを近い未来に気づくことだろう。

保守しぐさで金儲けをしている人たちに踊らされないように、その人たちを尊師のようにあがめて期待するだけでなく、個人、個人が日本にとって本当に大事なことは何なのかを考えていける国にしたい。

【今回は『日本がプエルトリコになる未来』について語っていきました。最後まで読んで下さりありがとうございました。

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