ロシアへの経済制裁は本当に効くのか

アメリカ政治
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2月下旬頃に書いていたけれど、アップし忘れていた記事を見つけた。

あの頃から警鐘を鳴らしていたことが、悲しいかなそのままの道筋で来ていることがうかがえるのでアップする。

売電はまずロシアの経済制裁から入った。

『本日(2・24)、私は、プーチンのウクライナに対する戦争に対応するため、新たな制裁と制限を承認した。 我々は、ロシアへの長期的な影響を最大化し、米国への影響を最小化するために、これらの制裁を意図的に設計した。』

「ロシアのSWIFT排除」だ。

多くの識者は、これがロシア経済に致命的な影響を与えると唱えている。しかし、大きな損害を与えても、致命的な影響までは至らないと思うし、そもそもこれくらいの制裁はプーチン側も予測していただろう。

昔のイランの場合を見たらわかりやすい。元々イランは日量200万バレルを超える原油を欧州やアジアに輸出していたが、SWIFT排除を機に輸出量が激減し、当初はイラン経済に大打撃を与えた。

しかし、予想とは違って致命的な打撃には至らなかった。というのもイランは制裁下でも、チャイナに対して原油の輸出を続けていたからだ。(正規ではなく第三国を経由という密輸という形ではあったが)

*2022年1月にチャイナはイラン産の原油の輸入を再開した事を正式に発表

これはSWIFT以外のチャイナの決済手段が既に稼働している事の証左だ。

ロシアがSWIFTから締め出された場合、最も大きな影響を受ける産業の1つは天然ガスだ。天然ガスの輸出(特に欧州向け)はロシアの基幹産業なので、これが輸出できなくなればロシア経済は打撃を受ける。

とはいえ欧州は4割をロシアからの輸入に依存しているので冬を越せないぐらいの打撃を受ける国ばかりだ。SWIFTが禁止されても、天然ガスの輸出入自体には禁輸措置が課されない可能性もある。この場合、各国はチャイナの決済システムを通じて購入する事も考えられる。

だから「買わない!」と強気で建前は言っている国が、ロシアからは直接買わなくてもパイプラインが通っている他国経由で買えるのなら結果的にはそんなに変わらないし、仮に各国が輸入を見送っても、チャイナが買い支えると思う。

つまりこの制裁で中露が近づく動機を与えてしまっている。

もしチャイナの決済システムが天然ガスの取引に継続的に用いられる様になると、長期的には米ドルを用いたSWIFTの権威が弱まる危険性もあるので、アメリカとしてもこれを長引かせたくはないはずだ。

ロシアのSWIFTからの排除は、ロシア、欧州、アメリカともに悪影響を与える一方で漁夫の利を得る可能性があるのはチャイナだ。

本来ならチャイナにも経済制裁をしないと効果が無いが、欧州もアメリカもチャイナへの貿易依存度が余りにも高すぎるためにできない。。

ここから先は欧州とロシアの消耗戦になり、日本を含め世界全体でインフレが更に加速することになるだろう。

日本ではお笑い芸人やアイドルがナチスを連想させる格好やポーズをしただけで国際的大問題にされるのに、ウクライナでは政府公認の正規軍事組織が鉤十字を掲げナチス式敬礼をしても何ら国際的に問題視されない。それどころか「民主主義勢力」と粉飾される。

実にいい加減なご都合主義だ。

ウクライナが思うほどうまく行かなかったアメリカは次は台湾に種まきを始めた。この台湾危機はずっと前から予想されていたことだが、タイミングと顔ぶれが実に気味悪い。

安倍総理が不可解な状況で暗殺されたその月に早速、あのヌーランドが来日し、あのエマニュエル大使とタッグを組んで仕事をする意志表明をしたと思ったら、八月早々には民主党大物のあのペロシが売電側の反対を押し切った形で訪台をした。

これを受けてチャイナはもちろん威嚇を強めて、早速、日本に攻撃を仕掛けてきた。

日本の保守層も「ほれ言ったことか!」と口を揃えてチャイナ叩きに邁進しているが、そもそもそんな状況を作っている(きた)アメリカには何も言えない、言わない時点で、まともな解決策があるはずもなく、このまま戦争へと駆り出されないことをとにかく祈ることしかできない。

コロナも良いが、もう少し自分たちの置かれている状況を理解して欲しいと思う。

【今回は『ロシアへの経済制裁は本当に効くのか』について語っていきました。
最後まで読んで下さりありがとうございました。

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