宇露戦争はまだ終結していないので戦況自体は刻一刻と変わっていくだろうが、この戦争が起こった経緯から、実際に今の段階までで誰が利しているのか、結果的に利することになるのか(損することになるのか)等の一連の私の考えを今回の記事で結論まで持っていこうと思う。
まずこの戦争は大手メディアの中では【宇露戦争】と言われており、露が一方的に突然侵略をした完全悪であり、宇が完全被害者であるという構図の善悪二元論でもって報道され続けているが、実際にはアメリカvsロシアの戦争構造になっている事実を再度、抑えておきたい。
ソ連崩壊後から続く過去30年近くのアメリカとロシアとの外交歴史を知っておかないと何故こんなことが起こったのかは正確には理解できにくい。簡単に言うと、アメリカが過去30年近くやってきたロシアの追い詰め政策が遂にこの事態を起こしたという火種の仕込みの部分だ。
これは世界的にも有名なアメリカの国際政治学者も
『来るべきものが来た。宇の問題を種としてアメリカとロシアが衝突するのは目に見えていた。』
と、主張し続けてきたことでもある。
プーチンが突然、頭がおかしくなったという論調を支持する人も多いが、それは過去の歴史をあまりに無視し過ぎだと思う。アメリカに押しまくられ続けるのはたまらないということで遂に抗戦に出たと見る方が理にかなう。
何度も言うが、ロシアが行っている行為を正当化している訳でも、プーチンが光の戦士だという理想的妄想を抱いている訳でもない。
本当に平和を望み、犠牲者を不憫に思う気持ちがあるのなら、現実に起こっていることをつぶさに見て、長い間、打倒プーチンで挑発し続けていたアメリカは、ロシアを封じ込めて叩き壊す道具としてウクライナを利用しているということを認識しないといけない。
応戦のためにロシアに経済制裁をしたり、武器援助をたくさんしてくれるアメリカを、ウクライナ人の多くは【アメリカが味方をしてくれている】と喜んでいるかも知れないが、実はアメリカに利用されているという厳しい現実がある。
これも過去にも何度も言ってきたが、一番の被害者はこの戦争とは何の関係もなく暮らしていた一般国民である。
以下からは、どのようにこの戦争の火種がクリントン政権時代からどの様に仕込まれていったのかという事実をおさらいしていきたい。