安倍総理も親露派になるのか?

チャイナ
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親露派と安易レッテルを貼る人達

2月に再開してしまったウクライナとロシアの戦争。

その前段階から防ぐ方法はあったのに英米がそれを指をくわえて見ていた様子と(どちらかと言えばロシアが手を出すのを待っていたかのように)、始まったら「そら見たことか!」とロシア攻撃を始めた全メディアの様子をずっと冷静に見ていた私は別にどちらの肩を持つということもなく(どちらにも特に思い入れはないわけだから)、ただただこの戦争で被害を受ける人達に同情していたにも関わらず、何故か戦争を肯定する親露派であり、ロシアのスパイであるとか、左翼だとか、まあそれは酷い罵詈雑言を受けてきた。

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また参政党という新党が、メディアとは異なり完全なロシア悪目線だけでない立場であの周辺の歴史背景を語ることができる論客(山口敬之さん、山岡鉄秀さん、河添恵子さん等々)を呼んで番組を作っていたからなのか、参政党の支持者だとか、酷いものは回し者だとかまで言っている人もいた。(もうここまで来たら妄想お疲れ様👋としか言いようがないのだが)

何故か日本のネット保守界隈ではウクライナ人が幅をきかせているので知ったつもりになるのかもしれないが、日本人にとってはウクライナは同盟国でもないし、多くの人にとっては今年の2月にこんな事が起こりテレビが騒ぎ出すまではどんな国かもよく知らない国だったろうし、ウクライナ人と話したことがある人もそんなに多くないのではないだろうか。

私はウクライナ人と交流があるので普通の人よりは国の生の事情を聞ける立場にあるのかもしれないが、それでも聞けば聞くほど複雑な国だなあと思うし、日本とはまるで成り立ちが違う国だなあと距離を感じる。

だから日本人が直情的になって(日本は元々ソ連に対して恨みがあるのでそちらに流れやすいのは理解できる)全メディアが持っていこうとする方向にいっせいに右向け右で流れていく様子は少し恐ろしい光景に見えた。

この戦争の背景をよく知らないでそんなに一方のみにくっつく形では、日本は自分の首を絞めることになるのでは?と危惧していた。核を持たない、軍隊を持たない、いわば弱い国がお隣の強い国々を全て敵にまわすようなやり方は得策ではないと思ったからだ。

特にこの件でロシアとチャイナのつながりが一層強くなることを懸念したし、実際のところ危惧した通り、二国の繋がりは以前よりも強固なものになってしまった。(しかもチャイナが上という最悪の関係だ。)

そんな懸念が膨れる中で7月にはなんと安倍晋三元総理が選挙演説中に暗殺されるという恐ろしい事件が起こってしまった。安倍総理と言えば、自民党の中でも唯一、ロシアとの関係改善の橋渡しができる貴重な人物だった。本当に暗澹たる気持ちになった。

あれだけの大事件が起こったのだから日本も危機だ!と纏まれるかと思いきや、今や統一教会と安倍総理の国葬儀をするや否やの議論だけで時間が過ぎている。その間にチャイナから十一発もミサイルを撃ち込まれているというのに、、

さて、安倍総理は5月末にイギリスの『Economist』という著名な雑誌にロシアウクライナについて、またチャイナの脅威について単独インタビューを受けていた。5月には読んでいなかったのだが、改めて読んでみれば安倍総理も、私が2月から言っていたことと同じことを仰っておられた。

左翼の狂気的なデモにも関わらず、国葬儀の件でも賛成を示し、献花にも自らの意思で訪れ、デジタル献花もし、安倍総理の死を悼む人が日本には多数いるが、この中にも私を親露派だと糾弾する人がいたりする。

この人達は安倍総理に対しても同じ様に親露派だとレッテルを貼るのだろうか。

きっと「安倍総理は別だ!」と言うのだろうけれど、とにもかくにも生前の安部総理が遺してくれた大事なメッセージだ。

これを読むだけでも日本はなんて勿体ない政治家を無くしてしまったのか、、とその損失の大きさに悲嘆にくれそうになる。

安倍元総理のインタビュー(日本語訳付き)

安倍:もちろん、オバマ政権以降、アメリカ軍が世界の警察官であることはなくなりました。その中で、志を同じくする国々が協力することが必要です。しかし、私はやはりアメリカがリードしていかなければならないと考えています。日本は理想郷を語りたがります。しかし、軍事的なことはすべてアメリカ任せという姿勢は改めなければなりません。日本は平和と安定に責任を持ち、そのためにアメリカと一緒になって最大限の努力をしなければなりません。

Of course, since the Obama administration, the American military no longer acts as the world’s policeman. In that context, like-minded nations need to cooperate. But I still believe America must take the lead. Japan likes to speak about an ideal world. But we must change our attitude of leaving all military matters to America. Japan must take responsibility for peace and stability, and do our utmost by working together with America to achieve it.

インタビュアー(以下イとする):プーチン大統領とは27回ほど会談されたそうですね。今、プーチンと付き合う上で、どんなアドバイスがありますか?

You met with Vladimir Putin some 27times. What advice would you offer on dealing with Putin now?

安倍:この状況では、多くの選択肢は残されていないと思います。プーチンさんの性格を分析する方法はたくさんありますが、彼は権力を信じると同時に現実主義者でもあると思います。理想を追い求め、思想のために犠牲を払うようなタイプではありません。
侵攻前、ウクライナを包囲していた時に、戦争を回避することは可能だったかもしれません。ウクライナのゼレンスキー大統領に、NATOに加盟しないことを約束させたり、東部の2つの飛び地に高度な自治権を認めさせたりすれば、戦争を回避できたかもしれません。これが難しいことは理解しています。しかしアメリカの指導者ならできたかもしれない。しかし、当然ながらゼレンスキーは拒否するだろうと思いますが。
しかし、こうなった以上、ウクライナに寄り添い、ロシアの侵略に徹底して反対していくしか道はないと思います。それが、第二次世界大戦後につくられた国際秩序を守る道なのです。

I don’t think there are many options left in this situation. There are lots of ways to analyze Putin’s character, but I think he is someone who believes in power and is a realist at the same time. He is not the type of person who pursues ideals, or makes sacrifices for ideas.

Before the invasion, when they had surrounded Ukraine, it might have been possible to avoid war. If Ukrainian president  Zellensky could have been made to promise that his country will not join NATO, or made to grant a high degree of autonomy to the two enclaves in the east. I understand this would be hard to do. Perhaps an American leader could have done it. But of course Zelensky would refuse.

However, now that we are here, I think the only way forward is to stand with Ukraine and throughly oppose Russia’s aggression. That is the ways to protect the international order that we have created since the end of World War II.

イ: プーチンにこれほど多くの政治資金と時間を費やしたことを後悔していますか?

Do you regret spending so much time political capital and time on Putin?

安倍:それはまったくないです。北の脅威を減らし、南西に軍を配置しなければならないと考えていました。平和条約を締結し、4島の問題を解決するために交渉するのが私の責任だと考えていました。多くのロシア人は、北方領土を日本に返還することに圧倒的に反対しています。その中で、確固たる基盤を持たない指導者が四島の問題を解決するのは難しいです。私はプーチンが適任だと考えていました。日本と平和条約を締結することの中長期的なメリットを理解してくれていると思ったからです。
シンガポールで合意し、ブエノスアイレス会議でも進展がありました。しかし、残念なことに、彼でも完全な独裁権を持っているわけではないし、彼でもすべてを決めることはできないのです。彼は強い反対を前にして躊躇したのだと思います。彼以外のほとんどの人が平和条約に反対、あるいは領土問題解決のための交渉を進めることに反対していましたから。支持率が低下していたことも関係しているかもしれません。

Not at all. I thought we had to reduce the threat in the north, and put our forces in the south-west. I thought it was my responsibility to conclude a peace treaty, and negotiate to solve the problem of the four islands. Many Russians are overwhelmingly opposed ti returning the Northern Territories to Japan. In this situation, it would be difficult for a leader without a solid base of power to resolve the issue of the four islands. I believed that Putin was the right person for the job. I believed that he understood the benefits of concluding a peace treaty with Japan in the medium to long term.

We reached an agreement in Singapore, and then there was progress at the Buenos Aires meeting. But unfortunately, even the does not have complete dictatorial power, and even he cannot decide everything. I believe he hesitated in the face of strong opposition. Almost everyone except him was against the peace treaty or against proceeding with negotiations to resolve the territorial issue. It may also have to do with how his approval rating was on the decline.

イ:ロシアと中国の関係をどう見ていますか。彼らは “限りない友好 “と言っている。あなたにはどのように映りますか?

What do you make of the relationship between Russia and China? The say it is a “friendship with no limits.” How does it look to you?

安倍:中国もロシアも、戦後確立された秩序に対する挑戦者になりつつあります。ここ数年、両国はインド太平洋地域や地中海で合同軍事演習を行っています。昨年は、中国とロシアの艦艇が日本列島を一周する演習もありました。その中で、中露の連携をできるだけ断ち切ろうと考えたのです。経済力という点では、中国の方が断然心配です。現状を考えると、ロシアは力を失い、中国のジュニアパートナーになる可能性が高いからです。

Both China and Russia are becoming challenges to the orders that have been established since the end of the war. Over the past few years, the two countries have conducted joint military exercises in the Indo-Pacific region, as well as the Mediterranean Sea. Last year, there was an exercise by Chinese and Russian naval vessels where they circled the Japanese archipelago. In that context, I thought about breaking up the Sino-Russian partnership as much as possible. In terms fo economic power, China is definitely more of a concern. Given the current situation, Russia is likely to lose its power and become a junior partner to China.

このインタビューに関してどんな人がどんな事を言っているのだろう?と調べてみたが、こんな大事なことを述べている独占インタビューなのに反応があまりに薄くて逆に驚いた。反応しているのは主にチャイナ系の人達でもちろん罵詈雑言をもって安倍総理の悪口を言っていた。ロシア系がもっと反応しているかと思ったけれどほとんどなかったのも意外だった。

そして流し読みをしている時にふっと見えて背筋が凍った英語でのコメントが以下だ。

⬇️

「(独占インタビューで)こんなに正直に事の真相を言ってしまったらもうすぐ彼や彼の家族が不慮の病気か事故で亡くなることになるかもね。」

このインタビューが掲載されたのが5月末。安倍総理が暗殺されたのが7月上旬。わずか1ヶ月ほど後のことだった。このタイミングも気持ちが悪いし、あの現場の状況には納得がいかないことがとにかく多い。これもまた陰謀論だなんだと口封じをする勢力があるのは承知だが、普通に考えてもおかしなことが多すぎるからだ。

今年はこんな状況で「日中国交正常化50周年」の節目にあり、共産党大会もある。

こんな世界の状況でわが国の総理は聞く耳があると自慢する岸田総理だというこの辛い現実を直視しないといけない。

岸田総理の評価に関してはジャーナリストの山口敬之氏の指摘がとても興味深かった。普通の人が岸田総理に持つ「無味無色」的な印象とは実はまるで違う一面があるので気をつけないというものだ。リンクを貼っておくので興味のある方は見てほしい。

【今回は『安倍総理も親露派になるのか?』について語っていきました。最後まで読んで下さりありがとうございました。沢山の方にシェアしたり、活動へのサポートを頂けたら励み💪になります!またツイッターでの発信もやっていますのでそちらの方も覗きにきてもらえたら嬉しいです。】

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