コロナウイルス騒動で見たアメリカ人の本質:アジア人差別はあるのか?

アメリカ全般
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人種差別はあるのか

アメリカは自由の国】というキャッチコピーが定着しすぎており、その開放的なイメージから本当のアメリカを知らずに日本からアメリカに渡ってくる人は多い。

そして

「なんか思っていたのとは違う。。」

とショックを受ける人もいるかもしれない。

それもそのはず、この国は日本とはまるで違う歴史を持っている。

考えてもみてほしい。

黒人差別をなくそうと市民運動が勃発したのが戦後、1960年代だ。本当にごく最近なのだ。

それまでは黒人は白人層と同じプールに入れない、同じ学校に行けない、同じトイレにさえ行けない。水飲み場さえ分けられていた。

そのように徹底的に白人と黒人は差別されていた。選挙権なんてないのは当たり前だった。

その様な差別と闘った人としてMartin Luther King Jr などの黒人活動家は日本でも有名で聞いたことがある人も多いだろう。

アメリカでは1月に彼を讃える祝日があるので、アメリカに住んでいる人は全員、知っているはず。

彼ら達の勇気ある活動がアメリカ中に広まり、今の様に露骨に差別するということは法律でも禁止されるに至った。

その辺りから黒人や今ではマイノリティ差別はしてはいけないという風潮が一気に作られ、Political Correctnessという言葉で人々の心を封じ込めてきたのがアメリカだ。

本当に人種差別はいけないと思っている白人層のアメリカ人がいないとは言わない。

しかし、半ば無理やりに人々の心を封じ込めたやり方をしても、本質は変わらないのも事実。

そういう気持ちを持っていた人がある日、「これからはそんな差別を法律で禁止する」と言われても、確かに態度では明らかに表すことは困難になったとはいえ、心が変わるわけでない。

そしてアメリカではやはりまだ黒人差別はしっかり根強く残っている

よくニュースになるのが、白人警察による明らかな黒人差別。

黒人が車を止められる割合は白人のそれよりもずっと多いし、また白人警察の犯人に対する態度が黒人であればより酷くなるという。

アジア人差別

では、アジア人はどうか

これも黒人差別と本質は変わらない。

戦前は苦力(クーリー)という名でチャイナからたくさんの奴隷労働者がいた。

アメリカ白人層にとって、アジアには今でいうメキシコ人の扱いと似ていて自分達のために「安い賃金で働く労働者」なのだ。

日本人はクーリーとは少し違う。

戦前に日本からアメリカに渡ってきた私たちの先祖はそれはそれは懸命に働いた。

地元のアメリカ人とも、もめ事を起こさないよう、日本人のアイデンティティを持ちながらもなるべくアメリカ人としてルールを守って生きようと努めた

元々、働き者の日本人なので財を築いていった人が増えていった。

これに嫉妬するアメリカ人や外国人がいたことも確かだ。

アメリカと日本が戦争を始めたことがきっかけで、一気に日本人虐めが始まった。

一生懸命、毎日毎日、働いて働いて築いた財は、家もビジネスも銀行の貯金も何もかも奪われた。

そしてその日のうちに小さいスーツケースに入るものだけの所有を許され、強制収容所に入れられた。

消えない差別意識

白人系アメリカ人にとって、それ以外の人種は

「自分達のために働くものでなくてはならず、自分達を超えることは許さない」

と無意識的か意識的にも感じている人がいる。

こんな意識があるなんて信じられないかもしれないが、根強く残っている。

日本人のどの人種も平等で、皆、素晴らしいという意識は欧米では実はとても最近に導入された考え方だ。

その意識は欧米から日本に入って来たのではない。(ここを誤解している日本人は多い)

コロナ騒動で表面化した差別

このコロナの影響で職を失った人は多くいる。

大切な人が亡くなった人もたくさんいる。

しかし、その怒りの矛先はなかなか見つけられない。

わたしたち在米日本人もアメリカ人と同様に被害を被っている。

自宅に籠らなくてはならない。

仕事は家でしなければならない。

子供がいる人はそれに加え育児もある。

好きなお店はどこもここも閉店している。

レストランやカフェで息抜きもできない。

それだけでなく楽しみにしていた日本に帰国できなくなったり、家族をこちらに呼べなくなったりとストレスはたまる一方だ。

同じ様にアメリカにもストレスや怒りの矛先を探している人達がたくさんいる。

そして、この人達はこのウイルスが中国発生であることは知っている。

そして中国人も韓国人も日本人も区別がつかないアメリカ人は東洋系の人を見かけたら明らかに他の人種と違う扱いをしたり、はたまた酷い言葉を浴びせたり、それだけでは飽き足らず暴力をふるう人まで出てきている。

NYでのこれらの暴力事件はSNSで見られた方も多いだろう。アメリカだけではなく、ヨーロッパの各地でも同じような東洋人差別がある。

これからこの騒動が長引くと、事態はもっと深刻になると思う。

アジア人をターゲットにした犯罪がこれから増えていくことになると予想している。

皆さんもくれぐれもお気をつけになってください。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

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